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[コメント] スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー(2004/米=英=伊)

映像はもちろんだが、それだけでなくラブストーリーもレトロ感覚で楽しませてくれるのが実はポイント。グウィネス・パルトロウの美しさも同じく古風なこともポイント。
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 全編ブルーバックを使って撮影し、CG処理を行なったレトロ・テイストの映像イメージが予告編を見た段階から斬新だった。レトロとは言え、1930年代では技術的に出来なかった映像であり、それを今あえて再現して世界観を作り上げたケリー・コンランという新人監督はなかなかのセンスの持ち主だと思う。だが、映像だけをレトロにしたわけではなく、内容もクラシック映画のテイストを保って展開させていったことが、実は楽しめるポイントなのである。

 ジュード・ロウグウィネス・パルトロウの主演ふたりのラブストーリーがまさにクラシック・テイストだ。最後の最後までお互いを好きと認め合わないが、会話の中にユーモアと共に恋愛が発展する伏線を散りばめている。グウィネスがジュードを眺める目線は時折恋する眼差しになっている。出演時間は短いながらも強烈なインパクトを残すアンジェリーナ・ジョリーも一番大きな役割はグウィネスの恋敵になっているということ。SF冒険活劇が展開されていると思いきや、どの場面でも必ずコメディタッチのラブストーリーが進んでいっている。こういった構成はヒッチコックが好んだスタイルでもあり、古き佳き恋愛劇のテイストに思える。ラストシーン、グウィネスが頻繁に残り枚数を気にしていたカメラで最後の一枚を撮影するが、そこでの小ネタと映画の終わり方もとてもクラシックなものだ。

 レトロ映像とレトロ恋愛劇。技術は現代的だけれども、内容では古さを生かして楽しませてくれる映画だ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)甘崎庵[*] おーい粗茶[*] くたー[*] onomon[*] G31[*] ジェリー[*]

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