[コメント] メトロポリス(2001/日)
りんたろうは所詮、享楽的破壊者か?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「幻魔大戦」しかり、「X」しかり、「銀河鉄道999」しかり。りんたろうはただきらびやかなだけの文明崩壊を執拗に描きつづけてきた。それはスペクタクルの追求となり、多くのアニメーターの腕の見せ所になるのかもしれない。だが、その大崩壊の理由づけはつねに薄っぺらだ。他のみなさんが触れておられるように、この作品においてもそれは例外ではない。すでに通り過ぎてしまった時代の理屈とともに、ジグラットは華やかに壊滅してゆく。ただ、それだけだ。キャラクターたちの叫びなどは、それに見合う説得力を持たない空しさしか有しない。りんたろうは結局、「滅びの美学」だけを追求する作家であると言ってもあながち外れてはいないだろう。今回もメトロポリス崩壊後の再建風景は、ごく上っ面だけを描かれたに過ぎなかった。またしても私の期待は裏切られ、余韻もへったくれもない空疎な風のみが感じられる残像が残るのみであった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (8 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。