[コメント] おくりびと(2008/日)
まずもって、日本の地方小都市をこんなにも美しく映像化したことを称賛したい。二人が暮らす川沿いの元スナックの住居がいい。山崎努のオフィスである坂の途中の建物も雰囲気よし。何の変哲もない町並みや民家、商店街や田園風景がみな素晴らしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本木が畦道でチェロを弾き、白鳥が飛び立つ、みたいなイメージ映像には正直こそばゆさを感じるが、他のシーンでの風景ショットが決まっている分、浮いた感じがしない。
本木が傷んだ遺体に接して、自宅に戻り嘔吐に苦しみながら妻にすがりつくくだりがなかなか官能的でよい。単にエロティックなのではなく、本能に衝き動かされている感じがよく出ているのがいい。
肝心の納棺シーンについては、これはもうそこに着目した慧眼を褒めるしかない。死別というシチュエーションの叙情性とあいまって、様式的な美しさに目を奪われずにはいられない。
広末のキャラクタが一貫性に欠ける点など、いい加減な部分もあるが、魅力的な映画だと思う。
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