１本の映画として見れば「１点」でもおかしくない作品。でもラスト１０分だけを撮影して他界してしまったリーの意志を受け継ぎ、この作品を完成させたスタッフの方々と、やはり他のアクションスターとは格が違う事を見せつけたラスト１０分のリーに敬意を表して、この点数をつけさせていただきます。やはりリーの凄いところは、表情の豊かなところだと思います。有名な止めを刺す前の一瞬の何とも言えない顔、この作品では闘い終わった後のダメージを感じさせる表情、上の階の次なる敵の気配を感じて「まだいるのかよ〜　もう闘いたくねえよ〜」みたいな表情。無敵のヒーローを作ろうとしたら絶対見せない表情をリーはあえて見せて、またそれがよりリアルな人間性を強調して、「もう闘いたくねえよ〜」なんて表情を見せても決して弱さを感じさせる事はありません。もちろんベースである彼の卓越したアクションあっての、それらの表情ですが。このラストの１０分だけでも、なぜ彼を越えるカンフーアクションスターが現われないのか、なぜジャッキー・チェンはコメディ路線に走ってしまうのか（笑）、などがわかってしまうでしょう。今のハリウッドの最新技術を使って、もう１度リメイクしてくれないかなぁ・・・