[コメント] ハリー、見知らぬ友人(2000/仏)
サイコ映画に必要なもの。
サイコ映画の見所は、犯人が如何に残酷な手口で殺すか、とか、
犯人がどれほどの異常者ぶりか、ということが第一ではなく、
何故、犯人がこれほどまでの異常な犯行を繰り返すのかを暴き、
あわよくばそれを救済し得るか、ということではないでしょうか。
その一点において、僕は酷評された『セル』という映画を買うし、
この映画は厳密にいえばサイコ映画ではないし、
ハリーという登場人物も突飛なサイコ野郎ではありませんが、
境遇の全く違う人間同士のすれ違いから生まれる不協和音というものを
うまく描いてたと思うし、
また、それが実に日本人的な神経質さとよく似通っているのも面白かった。
ハリーは何故、犯行を犯したのか、という疑問は、
ハリーの側に立っていないから出る疑問であって、
あちら側と、こちら側を隔てる一線が確実に身近にあるのを生々しく感じました。
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