格闘技を極めた人のアクション映画はやっぱりキレが違う。

ジークンドーのブルース・リーを初めて観たときはじりじり動かす左足、ちょいと舐める右手親指、人をおちょくったような表情、奇声、相手から目を離さないお辞儀、真似したいポーズがたくさんあった。

でも、この映画観て真似したくなった動作は全くない。つか、真似できないんだよね、何一つとして。作られたキャラクターじゃないんだよ。だから見惚れた。ただそれだけ。

敵がダウンしても気を許さず、拳を敵の顔面に据えた構えのまま正対前進していく。

痺れたね。痺れた。

脳天、側頭部、喉元、延髄。狙うのは急所ばかり。本気モード全開。

笑いはない。瞬きを忘れるくらい見入った。

ジョージみたいなお調子者キャラはカンフー映画にはよく出てくるけど、何かすっげぇ今作に関しては、笑えるどころか腹が立ってしょうがなかった。純朴そうな主人公ティンに肩入れし過ぎて観てたせいかもしれないけど。

その辺りがジャッキー映画と一線を画してるのかもしれないなぁ。。。

養殖漁場に沈められてた仏像群。観てて悲しくなるほど感情移入してた僕は、気分的にはもうタイ人だ。