[コメント] 最強のふたり(2011/仏)
本作の障害者観やノーマライゼーションといった事柄に気付かされる面白さ、あるいは、価値の転倒に目を開かされる、といったことを否定するつもりはないが、それは、「映画」とはまた別の事柄だ。全体にハラハラ感に乏しい。なんか全部、ゆるーく予定調和する。
実話をかなり脚色していると思われるのに、映画的な脚色じゃないのだ。例えば、ドリスが辞めさせられるのは、もっと彼がトラブルを引き起こすことが原因になるんじゃないかと思っていたのだが。あるいは、フィリップの命の危険でスリルを醸成するとかもないのか。フィリップと娘との関係も中途半端。なんか、ヒリヒリする画面が全然ない。英米のポップスをBGMにしたオシャレっぽい画面造型がよけいに嫌らしく感じる。作り手は、テーマに対して純粋なのかも知れないが、映画に対しては不純なのだ。
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