私が観にいった日は立ち見が出ていました。客層は明らかに若く、中学生や高校生のヤングメンばかり。中には『花より男子』の延長で来たと言わんばかりの小学生女の子＆お母さんまで。そして一番多いのが、漫画ばりに頭を立たせたリアルサイヤ人の男子達。まさに俺らは「クローズ」を観に来た、おめえら女子は原作読んだことあんのか？どうせオグシュン目当てだろ。というオーラを発しながら（そして実際に口にしながら）、自分の整理番号が呼ばれるのを今や遅しと待っていました。館内は別の意味で臨場感がたっぷりでした。

映画は面白かったです。小栗君も超カッコ良かったです。なんだかウォーターボーイズではぽっちゃりキャラだった子がえらいワルになって変身していたのも面白かったし、山田孝之は元電車男というだけあって小っちゃいのにさすがにオーラがあるし、みんな適度に熱くてかっこよかった。その中ですっと雰囲気をさわやかにしてくれる黒木メイサちゃん。彼女が現れただけで血の味がしそうな口の中がさわやかになる。飲み物に例えるとジンライムのような味わい（この例えは無意味です）。かなり彼女のファンになりました。

しかしコメンテータ・ペペロンチーノさんもレビューで書いていらっしゃいますが、私もラストの乱闘に彼女のバラードがかぶさった時はどうしようかと思いました。なんか寒いっす、監督。もうずっとベンジーとチバユウスケの声だけでいいよ。逆にそれ以外の曲は聴きたくなかった。（頭とラストのあの田舎くさいロックはなんなんだろう・・　よくわからない）北野映画なら登場１分くらいで死んでそうなキャラはなぜか生き残ってるし。なんか甘いところもある。（マンガだから？）

そして映画が終わり、一番熱気をおびていたのは、中学生らしき（ＰＧ引っかかってないか・・）三人組男子。往年の『仁義なき戦い』よろしく、劇場を出た後、殴り合いの真似をしていました。微笑ましい。　そしてリアルサイヤ人君達はどうしていたかというと、ちょっとテンション低めな感じで、現実はああはいかねえんだよといった哀愁が漂っているようにも見えました。どちらかと言うと彼らが共感したのはやべきょうすけだったのかもしれない・・

映画を観に来ただけなのに勝手に妄想のタネにされている方々。申し訳ありません。(07/11/4 劇場）