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[コメント] チャイナ・シンドローム(1979/米)

キャスター役のジェーン・フォンダや、ジャーナリストの気概を感じさせたマイケル・ダグラスも好演していたが、なんといっても科学者の苦悩と孤独を描いたジャック・レモンが印象に残る。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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その専門的な知識でもって、発展の可能性を知り、その危険性の規模や深刻さと同時にそれへの対策の効果と限界を熟知する。

しかし方や危険性を一方的に言いたてられ、方や対策の万能さ・完全さを言いたてられる。そして必死の思いでTVカメラの前に立って話し始めれば専門的過ぎる、と言われる。

しかし今、良かれ悪しかれ、原子力発電は身近な存在となっている。それを科学者に任せておけばよい、という態度でよいのだろうか?そういうことを考えさせられた。

また、最初の事故での制御室でのシーンは、一瞬「音声事故か?」かと思うほどの沈黙の時間が流れる。何かしらの物音、話声、人の声、BGMを一切排した演出は、この事故の重大性をストレートに表現して見せたのではないだろうか。

本当に重大な放射能汚染が発生寸前まで行き、技術者たちがやるべき機械操作をすべてやりきってその結果を待つだけ、という事態になったとき、いったい誰が音をたてられようか。そういうギリギリの緊迫感がこの映画にリアルな迫力をもたらしている。

いささか、セットの安っぽさを感じさせはするが、強烈なメッセージを放つ映画であることは間違いない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)死ぬまでシネマ[*] 緑雨[*]

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