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[コメント] Love Letter(1995/日)

家族愛、本当にそれでいいの?
ダリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







鑑賞中、ずっとツッコミたかった。

「樹(中山美穂)、風邪早よ治さんかいっ!」

父親を風邪で亡くした樹なら、風邪は油断できない、危険なものだと人一倍気を遣って当然なのではないか。しかし彼女の風邪はいつまで経っても治らない。仕事が忙しくて寝てる暇はない、という事はなさそうだ。ある日は「今日仕事休む〜」と言って休んでるし、出勤しても「今日ダメだぁ〜」と別室でサボって手紙書いてる(ワープロ打ってる)くらいだから。それなら一日くらいしっかり栄養取ってゆっくり寝てろや!

・・・と思ってたら、やっぱり倒れた。

ここから「涙・涙の孫を担いで爺ちゃん走る」シーンなのだが、本当にそれでいいのだろうか?

小樽の救急事情は知らないし、本来ならばちゃんと調べた上でレビューを書くべきなのだろうが、本州在住者の素朴な疑問ということで間違いはご容赦願いたい。

「1時間で救急車は来る」と119番は告げている。北海道の救急車って、それがそんなに信用ならないものなのだろうか。

勿論、子供(孫)が倒れたら居ても経ってもいられず、担いででも駆け出したい気持ちは痛いほどよく判る。でも、病人に対して、それが本当にベストの措置なのだろうか。

大火傷や大怪我なら話は違うだろうが、樹は風邪で倒れた。それならば1時間くらいストーブのある温かい部屋で、電話で応急処置を聞きながら待つべきなのでは?氷点下とも思える雪の夜に1時間近く晒していては、余計悪化するように思えるのだが。

描写では、雪はせいぜい膝くらいまでしか積もっていないようだ。これなら救急車も来ると思うのだが、仮に来ないとしよう。それならば片っ端からタクシー会社に電話するなり、ご近所を回って車を出してもらうなり、方法はあるのではないか。それより義弟(鈴木慶一)が車持ってるじゃん。車持ってるならチェーン装着して雪道の運転くらい出来るやろ。救急車到着よりも早いか遅いか判らないけど、呼べばいいじゃん。

爺ちゃん(篠原勝之)は走る。時には転びながらも。おいっ、病人濡れとるぞっ!「10年前は息子を担いで歩いて40分」と言っていたから、推定5〜6キロと思われる道のりを走る。車なら5分かからないと思うのだが・・・。

そして爺ちゃんも風邪を引いてしまったようだ。これは、大人になっても自己管理の出来ない、また学習能力の無い樹の不注意のせいである事は明白だろう。

家族を病気で亡くし、また同じ状況に陥った家族の愛と措置、本当に家族を愛するならばもっと冷静になって欲しいと考えたさせられた。

(評価:★3)

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