まずは、落語の部分の話。

以前、青山円形劇場で笑福亭鶴瓶の落語会を観た事がある。

その時、トップで落語をされた方（当時入門４年目ぐらい）が全くウケなかったのを見て落語の難しさの一端を垣間見た思いがした。（古典なのでどんどん笑いが出るというものでもない事はお断りしておきますが）

プロでこれなのだからアマチュアにどれほどのものが出来るのかと思っていたが、なかなかどうして形になっているのには驚いた。当然、撮り方もあるだろうし、本来の台本からすればかなりすっ飛ばしているのも事実ではある。だが、それを差し引いても、終盤の最初に国分太一が演じる「火焔太鼓」は見応えのあるものになっていた。

次に、映画としての話。

まあ、他愛もない話と言い切ってしまっても良いとは思うのだが、「心が通じない」というテーマを表現するという点においては、『バベル』よりもよく表現できていたと思う。

という事で、総じてなかなかの掘り出し物であったと思っている。