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[コメント] 少年メリケンサック(2008/日)

相変わらず、掟破りな作品なわけで。
パグのしっぽ

バンドもの物語の永遠のテーマ「売れたい、売れるためには音楽を変えなければいけない、変えたくない、でも売れたい」を最初の30分で放棄してしまう本作。だってバンドメンバーは既に人生のピークを一度も二度も越えてしまったオジサンたちで、彼らがツアーを続ける理由もただただ契約を履行するための惰性なのだから。「売れたい」という動機が欠落している。しかしこの終末的な状況の中でこそ、パンクは本来の牙をむく。本作で一番のパンクポイントは、ジミーが観客のいないフロアにダイブしてウェーとやって、観客がギェーとなるシーンだろう。人に支持されない空白地帯にこそ、パンクは生まれるのだ。

前述の定番バンドテーマを放棄したことによりバンドものにありがちな若い悲劇性が排除され、少年メリケンサックの奏でるパンクはカラッとした激しさを実現している。定石を裏返すことで見えてくる本質。本作に限らず、クドカンは脚本とか設定というものを裏手にとるのが本当にうまいと思う。

欲を言えば、後半も冗長にドラマを語るのではなくひたすら笑わせてほしかった。泣かせる友情ドラマなんてこの世に溢れている。それを語るのはパンクの役目ではないだろう。難しいことは考えず、ひたすら音楽は激しくひたすら宮崎あおいは可愛くあってほしかったねぇ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)煽尼采[*] りかちゅ[*] カルヤ[*] おーい粗茶[*]

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