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[コメント] アジャストメント(2011/米)

全力疾走の恋愛映画。「人は誰でも本気の恋に落ちたら全力で走る」という荒唐無稽な決めつけこそ映画のエンジンだ。ロマンスには不似合いでもランニング・フォームが決まっているマット・デイモンはゆえに主演を託される。「扉をひとつ隔てれば異空間である」という世界認識も「映画」に根差したものだ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







古来「愛の強さ」を描くにあたって「障害」を設定するのはドラマツルギーの基本で、その障害にはそれこそ無数のヴァリエーションがあるが、その一類型である「運命がそれを許さない」を比喩として扱わない『アジャストメント』は、その直截さによってアメリカ映画らしい快活な表情を獲得する。しかも運命を乗り越える方法が「全力疾走」であるというのだから、演出に難点を見出すことは困難でないにせよ、この活劇志向には呆れ返りながらも身を委ねるほかない。

調整局の仕事ぶりがアマチュアである(失敗ばっかし!)というのは不満でもあるが、アンソニー・マッキージョン・スラッテリーテレンス・スタンプも妙に人道的なところがあって、どうにも憎めない連中だ。初登場シーンではピンと来なかったエミリー・ブラントにもバスの再会シーンでは心を掴まれた。こういう笑顔を見せてくれる女性は私も大好きだ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)プロキオン14[*] ゆーこ and One thing[*] ドド[*] シーチキン[*]

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