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[コメント] グッドフェローズ(1990/米)

あまりに笑顔が醜いレイ・リオッタに業腹で「呪われよ」と念じていた私には落ち目になってゆく後半の展開のほうが俄然乗れる(リオッタもちょいジョニー・デップ似になる)。堂々と狂気を演じられたジョー・ペシは儲け役。同程度にキレてるのに常人のように振舞うロバート・デ・ニーロの地金の確かさも見直す。
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当然スコセッシの認識の反映ということなのだろうけれども、この映画のギャングスタたちは皆ちんけな存在だ。「町でいちばん恐れられている」とか何とかいう触れ込みで登場するデ・ニーロにしても底知れぬカリスマ性のようなものは皆無で、確かに米国犯罪史上に名を残す強奪事件をやり遂げたとは云っても、やはり組織にとっては働き蟻に過ぎない。ボスのポール・ソルヴィノはもっと怖く演出しなければリオッタの怯えが成り立たないのではないかとも思うが、これもスコセッシの内では一貫しているのだろう。

リオッタがロレイン・ブラッコをレストランに連れていくシーン。裏口(?)から入って厨房やら狭い廊下やらを抜けて席に着くまでをワンカットで追いつづけるのは、いかにもスコセッシらしい凝りようの画面展開だ。ここは感心するけれども、全篇を通じて見ればうまくいっていないところもちらほら。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] ダリア[*] けにろん[*]

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