コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] シン・シティ(2005/米)

ハードボイルドで内省的なモノローグ(「静」)とモンスターによる天誅アクション(「動」)の落差に活路を見いだすなら、感情の高まりに直結せずに無作法な「画」が垂れ流される「話法の不在」というこの究極の凡ミスをどう許せばいい。淡々と呟けば衝撃が増すという単純な世界ではない。こういう題材だからこそ理詰めで提示してくれないと乗れないのだ。編集一つでいくらでも輝くものを。怠惰。「告白」でも観て出直してこい。
DSCH

どこがタランティーノなのか皆目わからない。90%ロドリゲスではないだろうか。実際二人は同系列に並べられることが多いが、タランティーノは「理」、ロドリゲスは「本能」という似て非なる二人だと思う。正直なところ、タランティーノが一人でこれを撮ったら、これほど腑抜けた人物造形にはしないはずである。彼は血の通わない人物の軽さはまず映画を成立させないとまで考えている。それは『デス・プルーフ』で証明されたことだ。このような題材だからこそ理詰めで整えて提示しなければならないのだ。本能だけで「イケてる画」「B級愛」を適当な順序で並べられても私には全く響いてこない。カッコ悪いぞ!

実に私はこれを観終わってから10分後には、これがどんな話であったか、どんな顔の人物が登場したか、全く思い出せなかったのだ。

(評価:★1)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)水那岐[*] 緑雨[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。