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[コメント] アンチクライスト(2009/デンマーク=独=仏=スウェーデン=伊=ポーランド)

期待したほど衝撃的でもないし、期待したほど「嫌な物」を見せてはくれなかった。ラース・フォン・トリアーはいつからこんなヌルくなった?一番の衝撃はこの映画を捧げた相手。それで全て納得。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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衝撃の「誰ソレに捧ぐ」はある意味ネタバレなので書きませんが、それで全て納得しました。 ふむふむ、アノ人みたいなのやりたかったのねぇ。

ラース・フォン・トリアーの作品が「刺激的」「挑戦的」と言われる理由は、「反キリスト教」、正に『アンチクライスト』精神溢れるから、という点もあると思います。 しかし作品から推測する限り、この人は必ずしもキューブリックのような無神論者ではない気がするのです。 トリアーが明確に撃つのは宗教(あるいは宗教団体に代表される妄信的な信者)であって、神(というか人智を超えた何か)の存在は認めているんじゃないだろうか。 そういった意味ではタルコフスキーに近いとは思う。

何かトリアーの描く人間は、“自ら生きている”というよりも“何者かに生かされている”と表現する方がシックリくる。

ま、この映画はヌルいけどな。 あの樹の根元の穴の中に、人智を超えた何かがあるかと期待したのに。 もっとこう、夫婦間の精神的な痛みを期待したのに。

(11.03.06 新宿武蔵野館にて鑑賞)

(評価:★3)

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