これは科学的知見に基づく定説らしいが、小学生の時に宇宙の図鑑で知ったその話は、以来自分の中に、今更殊更何がどうという話ではないとは言え、とにかくセットされ続けてはいる。『ガンダム』の富野由悠季も、所謂「ニュータイプ」なるものについての素案の中で、その「50億年後」という際限にちらと言及していたが、それはつまり科学的知見に基づく想像力の発露なのだ。この映画の物語や、その設定の核には、それと同種の、ある類の限界の認識に基づく可能性への志向を感じた。

個としての人間には超絶的な次元の科学的知見が、それでも個としての自分自身の世界認識と結びつく。それはやはり、センス・オブ・ワンダーなんだと思う。

そしてその奇跡を目撃するのは、少数の者達だけなのだ。しかしそれでいいのだと思う。何より自分自身がそれを確かに目撃したなら、それは信じるに値するものなのだから。

正直に言ってオリジナルの「ウルトラマン」シリーズはよく知らず、だからパロディやオマージュとしての細部についてはなんの見解もいだけないし、作品そのものへの思い入れもほとんどないが、たとえばこの映画を小学生の時の自分が見たとしても、本質的には同様のものを感じたと思う。

劇中、パーソナルなキャラクターとしての子供は全く登場しないが、つくっているヒト自身が子供なんだよと思えば、なんだか納得も出来る（笑）。

最後の台詞は「オカエリナサイ」だった。個人的には「トップをねらえ！」を思い出した。その元ネタがあるのかどうかは知らないが、自分にはそれはとくに問題にならない。