★4 | 狼(1955/日) | 生活に疲れた都会の男と女の群れが醸しだす不安と倦怠は、まさにロベルト・ロッセリーニやヴィットリオ・デ・シーカの40年代作品群のそれと同質である。各自が抱え込んだ「やむにやまれぬ」感を過去へたどると敗戦という出発点にたどりつくからであろう。 | [投票(1)] |
★4 | 裸の十九才(1970/日) | あまりにも有名な事件の映画化だけに、感情を廃して状況だけを淡々と時間軸に配置していく構成に好感が持てます。少ない出番ながら圧倒的な存在感を見せる大地喜和子も印象的。 | [投票] |
★3 | 悪党(1965/日) | 原作が戯曲ということでか、ひとつのシークエンスがかなり長いにもかかわらず、いささかも緊張が途切れない。新藤演出のダイナミズムもさること、小沢と乙羽の適度にデフォルメされた芝居の妙味と、それを絶妙なサイズで切り出す撮影の黒田清己の功績は大。 | [投票] |
★4 | 鬼婆(1964/日) | 鬼とは実は人間であるという至極真っ当な暗黒メルヘン。天下が動乱するとき人心もすさぶ。そこに生きる者たちは、自らの欲望に忠実なだけで、己の心がすさんでいるなどとは微塵も思いはしない悲劇。徹底的に無駄を削いだシャープな黒田清己の撮影は必見。 | [投票] |