★3 | 天河伝説殺人事件(1991/日) | 出演俳優のランクを見ると顛末の察しがつくという、毎度お馴染みの事件の構図。偶然も必然のうちとばかりに、なりふりかまわず話は進む。ならば後は市川崑の奥行きの深い画作りと、心地良いカッティングを楽しみながら物語の終焉を待つのみ。 | [投票] |
★3 | ラスト・キャバレー(1988/日) | バブル期の女子高生(かとうみゆき)と意外と初心な大学生(渡辺航)カップルが微笑ましく、ロマンポルノ史を背負ったような根っからの奉仕女橋本杏子の奮闘ぶりにも好感。取ってつけたような大地康雄と風祭ゆきや岡本麗の挿話が中途半端で残念。 | [投票] |
★3 | 暴行切り裂きジャック(1976/日) | ロマンポルノ界きっての不美人桂たまきの仏頂面がリアル。どうせなら、狂女→女子大生→ブティックの女→有閑婦人→看護婦→娼婦→巫女の順に襲っていたら、「男は狂気に侵され、癒しを求めて神になった」とか書けるのに・・。何にも考えてないんだもん。 | [投票] |
★4 | 逃げきれた夢(2022/日) | 黒澤の『生きる』にはドラマがあった。残りの人生を成すすべなく「生きなければならい」この男(光石研)は成すすべなく周囲と向き合ってみるが、そこには「今さらの申し出に戸惑う家族」「遠い思い出でしかない旧知」「職業の結果としての教え子たち」がいるだけだ。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 人妻集団暴行致死事件(1978/日) | 若者三人の無軌道さが引き起こした罪にしろ、中年男の無自覚さに根ざした悔悟の念にしろ、描かれるのはオスとしての男の性衝動のどうしようもなさであり、生きているというだけで法や愛情の枠組みを突き抜けてしまう可能性を持ったオスのやるせなさを感じる佳作。 | [投票] |
★4 | ヨコハマBJブルース(1981/日) | 動き一本槍の「遊戯シリーズ」と、静の魅力が充満した『陽炎座』『家族ゲーム』の間に位置し、自然体で心を解放したようなブルース歌手松田優作。確かに横浜ではなく「ヨコハマ」に見える仙元誠三の撮影が和製ハードボイルドとしては傑出している。 | [投票(2)] |
★3 | 犯す!(1976/日) | 男女の理解不能な関係を暗示しているような思わせぶりな展開も、終わってみれば唯の興味本位映画。フェミニストのお姐さん達が見たら、「女の性を商品にするな!」批判の集中砲火に合うよ、絶対に。一度見たら忘れられない蟹江敬三の変質者顔が印象的。 | [投票] |
★4 | 堕靡泥の星 美少女狩り(1979/日) | 次々に登場する女優陣の個性を過不足なく引き出し、ロマンポルノで100分という長尺にもかかわらず、緊張感が途切れないサスペンスとエロスの持続力は見事。過剰にならない土門峻のクールな不気味さも好感。お馬鹿や下品を封印した鈴木則文渾身の背徳絵巻。 | [投票] |
★3 | 釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪(2005/日) | 前作に続き小津ネタだが、今度は一転、冒頭からミュージカルあり、ライブあり、ドタバタありのバラエティ風味付け。朝原雄三監督の実力は本物。イラクでの日本人拉致騒動の世論にチクリと釘をさすスーさん(三國連太郎)の苦言は正論で泣かせます。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 蒲田行進曲(1982/日) | 20年ぶりに再見。我がまま放題で甘える銀ちゃんにヤスと小夏が示す理屈を超えた愛情が、父と母の息子に対する純粋愛に見え、この映画が親離れ子離れの葛藤物語に見えてしまった。きっと人の親となった私の心境の変化でしょう。 | [投票(2)] |
★3 | 不連続殺人事件(1977/日) | この大人数をさばくには、ロバート・アルトマン作品ばりの緻密な設計と人物の仕分け手腕が必要なはずだが、どうやら安吾を借りて何かを語ろうとしたわけではないようで、脚本家が4人も寄ってたかって、映画的改変のあとはなく「みせる」アイディアは皆無。 [review] | [投票] |
★2 | 恋愛寫眞 Collage of our Life(2003/日) | 可哀相なのは、中味空っぽのピンナップガール程度にしか扱ってもらえない広末涼子。こういう無邪気な製作者と観客の共犯関係が、有望な女優さんの芽を摘んでしまうのだ。それに比べて、場の空気など一切無視でちゃんと映画女優していたのは小池栄子。 | [投票] |
★2 | 道頓堀川(1982/日) | 小説調の台詞がこなれておらず映画の流れを止めてしまい、父子や男女間に起こるべき葛藤が立ち上がらず緊張が生まれない。関西弁の機微が消化しきれていない松坂慶子も年増ぶりっ子のようで見苦しい。カルーセル麻紀のひたむきと柄本明の不気味さが好い。
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★4 | ダイナマイトどんどん(1978/日) | 「何でもかんでも話し合いだの平等だの、ゴタゴタ言ってんじゃねえよ。やることやらずに甘ったれんな。民主主義だって言えばコトが済むと思うなよ!」と言いたくなることがままあるのは、俺だけではないようだ。 | [投票(1)] |
★2 | 力道山(2004/韓国=日) | 何をもって力道山の映画だと言うつもりなのだろう。俳優の肉体改造や日本語習得は、真摯だが目先の問題でしかない。そんな上っ面で事を誤魔化そうなどとは不見識極まりなく、これでは日本人はもとより彼を知らぬ朝鮮、韓国人などただただ首を傾げるだけだろう。 [review] | [投票(3)] |
★4 | 博多っ子純情(1978/日) | 憧れの「博多の男」に手が届ききらない中学生(光石研)の、虚勢と戸惑いが実に初々しく微笑ましい。そして、子供達をとりまく両親(小池朝雄・春川ますみ)ら大人達の博多ダンディズと言うべき暖かい生活観。曾根中生監督の良作のひとつ。 | [投票] |