★4 | 偉大なるマルグリット(2015/仏) | 前半のコメディになってゆくかと曲解させる案内役たちの眼とは裏腹に、正統派の愛の悲劇に集約されてゆく後半は飽きさせない。たぶん多くを望み過ぎた演出家の責であろう。黒人執事の冷徹な細工と、夫の凡庸な普通人らしい愛情だけに絞り込めばそれでよい。第三者はヒロインを愛さないただの「人生の通行人」であれば十分なのだ。 | [投票] |
★3 | 黄色い星の子供たち(2010/仏=独=ハンガリー) | 思いのほか「お涙頂戴」的であり、歴史に照らせば非情な事件を「綺麗なまま」に撮った甘ちゃんな描写も多いのだが、映画力を信じたカメラも散見され感心を促される。メラニー・ロランの看護婦が競輪場に到着し、彼女が立ったドアから一気に競輪場を鳥瞰するまでの長回しは、それがCGであっても優れて映画的で絶望的な名シーンだ。 [review] | [投票(2)] |
★3 | ルパン(2004/仏=伊=スペイン=英) | 「ルパンはバットマンじゃないだろう」と思わずつぶやいてしまった自分がいた。ルパンの幼時のトラウマなんかより、こちとら紳士怪盗の活躍が見たいのだ。やたらとルパンが青春しているのも何だか気恥ずかしかった。 [review] | [投票(1)] |