藤川準の映画ファンのコメント
ゑぎのコメント |
眠狂四郎円月斬り(1964/日) | 市川雷蔵版第三作は随分と貧相な出来ぐあい。まず悪役が弱過ぎる。成田純一郎ではね。この成田の母親−松女を演じる月宮於登女と花札投げの伊達三郎が救いか。また殆どヒロイン不在なのだが、そんな中でエロティックな見せ場もある東京子が恐ろしく大根でゲンナリする。橋下の部落の造型も大映スタフにしてはイマイチ。 | [投票] | |
アナタハン(1953/日) | いやあ、ジョゼフ・フォン・スタンバーグという人は凄い人、かつ面白い人だと思う。こんなキワモノを日本人スタフ・キャストでミニマルに撮り上げた作品が遺作なのだ。しかも、全然手を抜いていない。力いっぱい作っていることがよく分かる。 [review] | [投票(1)] | |
森の石松(1957/日) | これは良く出来ている。素晴らしい時代劇的風景の連続でそれだけで現在の観客からすれば羨望の念を禁じえない。田坂勝彦は兄の具隆に比べると殆ど代表作と云えるものの無い人だが、もしかしたら具隆よりも良いのではないか。そう思わせるぐらい本作はいい。 [review] | [投票] | |
銭形平次捕物控 まだら蛇(1957/日) | 美空ひばり、山本富士子、木暮実千代と女優陣は超豪華で否が応でも期待が高まるのだが、逆に皆中途半端な扱いになってしまっている。本作の加戸敏演出は全体に平板で、例えば橋を使って、ひばり、ガラッ八・堺駿二、長谷川一夫を出入りさせるシーンなんかとってつけたような演出だ。荒木忍、山茶花究ら悪役も面白みがない。 | [投票] | |
眠狂四郎魔性剣(1965/日) | シリーズ6作目。3作目『眠狂四郎 円月斬り』の脇キャラで伊達三郎が演じた「むささびの伴蔵」の妹として嵯峨三智子が登場し、狂四郎をつけ狙う。この妹も花札を手裏剣のように投げるのが得意技。伊達は全く別の悪役で登場するという相変わらずのいい加減さだが、しかし嵯峨に魅力がない。 [review] | [投票(1)] | |
狐の呉れた赤ん坊(1945/日) | これは敗戦後の邦画を代表する傑作だろう。飲み屋の瀬戸物が割れる音とともに字幕が崩れる粋なオープニングからラストの大井川の俯瞰ショットまで映画を作る喜びに溢れている。パンニング、トラベリング、ピント送り、フラッシュバック等技巧的にも凝りに凝った作りだが、それぞれ実に適確に用いられており驚かされる。 [review] | [投票(5)] | |
眠狂四郎殺法帖(1963/日) | 確かに雷蔵−狂四郎のキャラクター造型は焦点を絞りきれていない。しかしそれでも旺盛なサービス精神で面白い映画になっている。船宿で身を投げ出す中村玉緒がすこぶるいい。中国人を演じる城健三朗は相変わらず大暴れだ。またマクガフィンとしての仏像の扱いもありきたりかも知れないが所詮マクガフィンなのだからこれでいいと思う。 | [投票(3)] |