★4 | 真・『小さな恋のメロディ』。偏執的に端正な画面と対比して、子どもの「純粋さ」を軸に、予測不可能な「不穏」が漲っている。この不穏が世界を瓦解させ、やはり「不穏」により再構築される。納得だし「純粋=不穏」の表現は刺激的だが、知った話とも思うし、この監督さんにはもっとキャラに肩入れした、しょっぱくもほろほろ温かい情緒を求めたい。ちょっと巧すぎる。 [review] (DSCH) | [投票(4)] |
★4 | 理屈倒れになりかねない過密な美術は、はっきりと方向を限定されるゆえに運動の徴候を持ち得た画面やキャラクターと劇伴の歩調によって彫琢され、移動をしている実感をともないながら、空間と感傷の旋律線を形成する。 [review] (disjunctive) | [投票(3)] |
★5 | 初期作にみられた毒やスノッブ臭さは薄まりつつも構図・色彩・カメラワーク・スロー等作家性は維持し、演出力自体も更に向上がなされていて、乗りに乗った無敵感さえ漂う。ウェス・アンダーソンは名実共に現代アメリカ映画を代表する監督に成熟した。一様なアップの撮り方に疑問を持つ部分もあるが、子供たちの顔つきが皆良いのでよしとしよう。 [review] (赤い戦車) | [投票(5)] |
★3 | 絵作りはいつも通りのウェス・アンダーソン。ただこのストーリでは、見ている側の私が大人の為、彼らの行動には先が無く、あるいはバッドエンドを予想させるために鑑賞中の精神状態がマイナス方向に向いてしまう。洒落乙ないい大人がバカなことして泣き笑い。そんなところに彼の作品の良さはあるのだと認識させられた作品。 [review] (Soul Driver) | [投票] |