★5 | ベルイマン・カサヴェテスクラスの深層心理の表出により切り裂かれる魂の痛みは、インテリゲンチャ崩れな高等遊民の防御壁をやがて徐々にだが融解する。ニヒリスティックな世界観だが、それでも融和と希望を託して混迷の時代を照射する。圧倒された。 (けにろん) | [投票(3)] |
★3 | 人生の後半を生きる者の「平穏」とは物理的な、また「集大成」とは精神的な「過去」の食い潰しでしかなく、残された時間は何ら新しいものを生み出さない、という責苦。じゃあ「見ざる。言わざる。聞かざる」しか手はないな、と後半入りした私は思ったのであります。 (ぽんしゅう) | [投票] |
★4 | カッパドキアの奇観に木魂する禅問答かと思えば、一族の重ねる議論の現代的な生々しさに驚かされる。己のミスに気づいても認めないプライドの高さと頭でっかちさ、口に出していい言葉を選ばない生硬さは俺に等しく、上映館の椅子に居心地の悪さをおぼえた。善悪のベクトルを論ずるアナクロさがなんとリアルに彩色されることか。ビルギナーの俗物さと、スーゼンの美しい胸糞悪さも実に斬新でおもしろい。 (水那岐) | [投票(1)] |
★4 | 珍しいトルコ映画。そしてカンヌパルムドールだという。でも最近のカンヌは信用できない映画が多いが、本作品はトルコ映画だけにひょっとしたら、と期待に胸ふくらませる、、。 [review] (セント) | [投票(1)] |