★2 | 内蔵助の逡巡が、朝廷の後援(これ本当?)を背景とした三年寝太郎の確信犯として描かれ、講談読み物レベルに堕している。撮影は厳格で興味深いが、情緒を求める井関徳兵衛自害の件などとうまく噛み合っていない。不評につき後編では方針変更されたとのこと。 (寒山拾得) | [投票] |
★4 | 映画の画面にも天と地、手前と奥行き、上手と下手といった演出的な空間性があるということは、たんに約束事としてだけでなく、それが重力の束縛を受けた人間達や事物を被写体にしているという現実にこそ基礎を置いていたのかも知れない、なんて思わされる画面が続く。 (鷂) | [投票(1)] |
★5 | 冒頭の松の廊下のシーンを除き刃傷が一切存在しない時代劇という離れ業が、圧倒的な重量感と安定感の中で実現している。クレーン撮影を駆使した長回しのもたらす様式性と、真山青果原作らしい、荘重にして膨大な量の台詞の理詰めの面白さがアクションの抑制を補って余りある。 (ジェリー) | [投票] |
★4 | 本作の杉山公平も、構図フェチには堪えられない美しい画面を獲得し続ける。江戸城松の廊下での叱責と刃傷沙汰を映した、素晴らしい幽玄な移動撮影。内匠頭が最初に拘束される、部屋に屏風を立てて囲んだ空間の俯瞰。彼が切腹するために入っていく刑場のクレーン俯瞰。 [review] (ゑぎ) | [投票(1)] |