★5 | 今村昌平と野坂昭如の共通点は、他人の深刻な不幸を徹底的に戯画化して笑いを誘いながらも、其処に嫌味を感じさせず、むしろ愛情や親近感を感じさせてしまうところにある。そんな彼らの、虚飾とは無縁の、廃墟のような優しさに俺は憧れ続けるのである。いつかはこんな風に、と。 (町田) | [投票(1)] |
★3 | 坂本スミ子が予想外に今村的ミューズを体現して感動的だが、一方、小沢スブやんの諦観は今一修羅場を潜ってるとも見えず遂に胸に迫ることはなかった。そして、悩める男の再生譚は後年の『うなぎ』にて焼き直されるわけだ。 (けにろん) | [投票(3)] |
★3 | 今も昔も人間の行動原理の源はエロである。しかし、そのエロに人生を捧げてしまった男には、嘲笑を通り越して悲哀を感じる。[下高井戸シネマ] (Yasu) | [投票] |
★5 | 人の本性、そして蠢きをちょっと距離を置き、引いて作って見せた今村ならではの骨頂作。まず映像が堂々としているので、見ごたえがある。その立派な風格には宝石のような光るものがある。今村の代表作。 (セント) | [投票(1)] |
★4 | 寄り過ぎず引き過ぎない、微妙なカメラの距離感が面白い。今村昌平の視点は一貫して観察者のそれであり、理解や共感よりとにかく「凄いものを見せられてる」という感覚を与えてくれる。特に、異様な凄味が漂う後半の展開には驚かされる。 [review] (太陽と戦慄) | [投票] |