松田定次の映画ファンのコメント
ジェリーのコメント |
旗本退屈男捕物控前編七人の花嫁(1950/日) | 当シリーズの戦後第1作とあって、主水之介の父親や嫁が出る設定に驚く。比佐脚本が狙い多すぎて駄目だが、岡っ引き役の月形龍之介がめっぽういい出来。立ち居振る舞いから江戸の町人の匂いが馥郁と薫る。ラストの龕灯を使った闇夜の殺陣のシーンがぞくぞくする。 | [投票] | |
獄門島(1949/日) | 市川崑がこの原作イメージを決定づける前の作品なので、自由度がある。セットの立派さがミステリーを支えている。三宅邦子、進藤英太郎が役柄に合う一方、片岡千恵蔵、大友柳太郎が浮いている。それも面白さだが。 | [投票] | |
三本指の男(1947/日) | 2024年初頭、「原作の軽視」問題が世上をにぎわしているが、本作ときたら・・・。これでは密室トリックが意味を失う。それでも戦後世相を反映した作りは好感持てる。市川版と異なるのどかな導入。素晴らしい俳優陣。原節子の眼鏡奥からの視線。 | [投票] | |
旗本退屈男 謎の紅蓮塔(1957/日) | 市川右太衛門の、ぎろりと向こうを見込む目の立派さがいい。振る舞いの派手さも貫禄も朗々と響く声もいい。全てがキャラクター造形に寄与する。月形龍之介の芸容が、主役に負けないくらい大きい。殺陣の演出は極上吉。 | [投票] | |
旗本退屈男(1958/日) | 東映の制作システムがはっきりと見える。俳優の持ち味に合った役を設定し演技のしどころを用意することが、映画企画の根幹なのだ。思いやりに満ちた政治的な演技の分配のシステム。本作では両御大の対峙のシーンが、劇的中心となるよう設計されていて素晴らしい。 | [投票] | |
旗本退屈男 謎の暗殺隊(1960/日) | 市川右太衛門以外の俳優は殆ど人格を奪われたドラマの操り人形。その御大とて、退屈男というイデアの翳である。映像をきらびやかにするためにあらゆる映画のファクターが映像の名の下に従属するいびつな構造。その美的構造の核心をなす「二重丸」の構図。 [review] | [投票] | |
旗本退屈男捕物控後編毒殺魔殿(1950/日) | ストーリーは破綻寸前だが、女優をたくさん使って華やかにしたいという意図からだろう。大名屋敷内を阿波踊りが練り歩く演出が斬新。市川右太衛門がまだ若いせいか、颯爽としている。高田浩吉のほれぼれする男ぶり。大友柳太郎が見事に大根。 | [投票] | |
忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻(1959/日) | 片岡千恵蔵の内蔵助は、硬く顔つきがまじめなので、茶屋遊びのシーンがとってつけたように不似合いだが、その他のシーンはとてもすばらしい。 惜しげもなく役者を使って正月映画の定番らしい格式を守っていた。 | [投票] | |
旗本退屈男 謎の幽霊船(1956/日) | このシリーズのパターンが定着。喜劇人の付き人、捕物に協力する妹、奇妙な建築物、、そして旅。国家的大陰謀を豪壮な剣技で打ち破る天下御免の旗本の痛快ストーリーはカラーにふさわしい。琉球情緒たっぷりの舞台設定、音楽も満喫できる。 | [投票] | |
赤穂浪士 天の巻・地の巻(1956/日) | 大友柳太郎扮する堀田隼人の登場する意味はなんじゃあ! 原作の弱みがそのままでた愚作。新藤兼人の脚本の理屈っぽさが最悪の効果をもたらしてしまっている。片岡源五衛門役の原健策と内蔵介役の市川右太衛門以外、誰も光らせることができていない。 | [投票] |