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市川中車の映画ファンのコメント

野盗風の中を走る(1961/日) 忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962/日) 侍(1965/日) 佐々木小次郎(1967/日) 待ち伏せ(1970/日) 雪之丞変化(1963/日)が好きな人ファンを表示する

ぽんしゅうのコメント************

★3野盗風の中を走る(1961/日)自由を求めて、欲望の赴くまま自らの意思で生きる若き野盗たちの行動原理はまさに60年代的で、そこが決定的に『七人の侍』の侍と農民の関係と違うところ。その奔放さは、数年後に登場するアメリカン・ニューシネマの主人公達を彷彿とさせて興味深い。[投票]
★3忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962/日)国民的ルーチン物語を過不足なく手際よくまとめた八住利雄脚本と、4時間近くの長尺を一気に見せきってしまう稲垣浩の勘所を押えた手腕は見事。宝田明平田明彦水野久美の東宝怪獣トリオが髷と日本髪で一同に会するのが何だか微笑ましい。[投票(1)]
★3侍(1965/日)三船の運命が示唆されるタイミングがもっと早ければサスペンスとして盛り上げようもあったろうし、あるいは終焉ギリギリまで引き伸ばしていればギリシア悲劇のような絶望が生まれたかもしれない。岡本演出のメリハリの良さや伊藤の怪演が、橋本脚本の荒を隠す。[投票]
★4待ち伏せ(1970/日)日本映画凋落著しい70年という公開時を思うと、最早物語的面白さを期待するのではなく、観客自ら進んでこの俳優たちの顔合わせをを面白がるべき映画。そして、今となっては日本映画黄金期を支えてきた者たちへのレクイエムとして謹んで観賞すべきイベント映画。 [review][投票(6)]
★4雪之丞変化(1963/日)まさに大衆娯楽にして前衛。長谷川、若尾の艶、中村、柳の醜、山本の不協美という芸を、キャメラ、音楽、美術といった技で揺さぶり、暗闇でしっぽり包み込む。60年代初頭、市川崑はシネスコの使いこなしにおいて、間違いなく世界の最先端にあった監督の一人だ。 [review][投票(3)]