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カミールの映画ファンのコメント

ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン(2007/仏) エリザベート1878(2022/オーストリア=ルクセンブルク=独=仏)が好きな人ファンを表示する

アンジェリカの微笑み(2010/ポルトガル=スペイン=仏=ブラジル)************

★4「動くはずのないものが動き、それを目にした者はその美しさに心を奪われる」すなわち、アンジェリカとは「映画」の化身である。ならば、愛すべき木偶坊に過ぎないと思われた青年は実のところ「観客」と「演出家」の似姿をその一身に分かち持ち、一筋縄ではいかない人格の像をにわかに結び始めるだろう。 (3819695)[投票(2)]
★4美しき死人に恋する青年の無心が、どこか滑稽に見えるのは「若さ」に対するオリヴェイラの冷やかしでもあり、嫉妬のようでもある。もしも後者なら、飄々とした語り口の末に突き放すような結末の冷淡さこそがホラー。サビーヌ・ランスランの夜景は今回も絶品。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
★4雨、というよりは、雨音の慕わしさ。窓、扉、鏡。写真、なにより映画の画面という世界を縁取ってみせる枠組。青年の世界は厳密に縁取られ、したがって青年の実存は世界から切り離される。やはり世界を縁取るサウンド。古典的な合成エフェクトで構成された超現実主義的な独特の空中遊泳は、死せる女の肖像がそのまま「映画」の寓意であることを示す。“死に至る為”にこそある疾走の為の疾走。ハッピーエンド。 ()[投票(4)]
★4主人公の内的な変容が描かれる。ユング的でもあり、日本舞踊「椀久末松山」を思わせる展開である。精神の古層は、宗教の違いを超えて共通なのか。掛け値なしに美しい空中浮遊=脱魂のシーンには見る者(世界中の様々な民族を想定していると思う)を試すようなオリヴェイラの視線を感じる。 (ジェリー)[投票]