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「強引な男・相米慎二の仕事」(ぽんしゅう)の映画ファンのコメント

光る女(1987/日) ラブホテル(1985/日) 雪の断章 情熱(1985/日) 台風クラブ(1984/日) ションベン・ライダー(1983/日) 魚影の群れ(1983/日) セーラー服と機関銃(1981/日) 翔んだカップル(1980/日) お引越し(1993/日) 東京上空いらっしゃいませ(1990/日) 夏の庭 The Friends(1994/日) あ、春(1998/日) 風花(2000/日)が好きな人ファンを表示する

赤い戦車のコメント************

★4光る女(1987/日)終盤になるにつれて画面の力が失われていく弱さはあるが、武藤敬司秋吉満ちるの棒読み演技がメロドラマ的な高まりを逆に加速させている部分は確かにある。個人的には地下街の階段に座り込んで話している長回しでの、こちらを見ては通り過ぎて行く街人の表情が忘れられない。[投票(1)]
★3ラブホテル(1985/日)毎度のことながら全体のバランスが悪い。長回しの強靭さは間違いなく相米慎二の刻印だし、ラストの桜吹雪はこの監督以外に成し得ない造型だが。この歪さを魅力と捉えるか否かで評価が分かれると思う。[投票]
★3台風クラブ(1984/日)「中二病」というものを最も的確に描いた作品、という気がする。個人的には冒頭のダンスシーンが気に入った。[投票]
★4ションベン・ライダー(1983/日)これもまた運動そのものの快楽を追求した作品と見ることができる。成功するか失敗するか、綱渡りのようにギリギリのところを突っ走る長回し。しかし照明の当て方を見れば、これが素人のお遊び的なものではなく、非常に考え抜かれたカメラワークであることがすぐわかる。多くの場面においてロケーションがその場所であらねばならない物語的な必然性は皆無。破綻など最初から気にしていないような豪胆ぶりに驚く。[投票]
★3魚影の群れ(1983/日)初期相米の中では比較的落ち着いた映画だが、その分パワーには欠ける。『ションベン・ライダー』のように破綻を恐れぬ豪胆ぶりこそが映画の未来を切り開く。[投票]
★4セーラー服と機関銃(1981/日)確かに展開はめちゃくちゃ、演出も奇天烈だ。しかし一度「物語」を頭から締め出して本作を観た時、そこには正しい画面の連鎖のみが存在することに気づく。相米慎二は全身全霊で映画を作ろうと努力している。その痕跡が至る所で輝きを放つ。[投票(1)]
★3翔んだカップル(1980/日)ロマンポルノ由来の暗い照明とアイドル映画の融合。夜の雨の中に駆け出すシーンが好きだ。[投票]
★4お引越し(1993/日)途中まで家族の再生話かと思っていたので、終盤はなんだか主題をすり替えられた気がしなくもない。しかし連打されるイメージ群のダイナミックさは日本映画屈指。完全に圧倒された。[投票]
★4東京上空いらっしゃいませ(1990/日)3.5点。牧瀬里穂笑福亭鶴瓶の演技をずっと見ているのはさすがにしんどい。が、やはり相米慎二には見所がある。バイト上がりの買い物と「歯磨き!」に泣けてしまうのは何故だろうか。映画とは瞬間であり、これだけ良いシーンを詰め込めば破綻などどうでもよくなるものなのだ。[投票]
★4夏の庭 The Friends(1994/日)やはり本作でも日常から非日常へと突然跳躍させる手腕が魅力的だ。坂田直樹が病院で迷った際のホラー的な逸脱ぶりはどうだ。土砂降りの雨。幾度となく差される傘の美しさ。相米慎二の中では人気がいまいち無いようだが、これも十分面白い。[投票]
★4あ、春(1998/日)どの場面にも映画の呼吸が根付いていて心地よい。そして、本作にも桜の姿が。相米慎二にとって桜は生命の象徴だったのか。[投票]
★4風花(2000/日)相米慎二の描く「道行き」。この落ち着きを「衰え」と捉える向きもあるだろうが、私は「洗練」と捉えたい。低評価なのはそれが徹底しておらず、過渡期的な印象を与えるからか。ダイヤモンドダストの中で小泉今日子がパントマイムする場面、あれがあるだけでもこの映画を肯定する。[投票(2)]