★2 | テルマ&ルイーズ(1991/米) | 「女性だから出来た」とかのセリフは全てに当てはまらないし大雑把過ぎるから、その言葉は無用な飾りでしかない。「人間は強い」という前提で進んでいたはずの旅に訪れる結末のショボさと、リドリー・スコットの人間観察能力のダメさというゲンナリ要因に腹が立った。 [review] | [投票(4)] |
★2 | レジェンド 光と闇の伝説(1985/英) | 意図的にトム様の歯並びを変にするあたりからして、巧く、憎いまでにトム様の価値を持ち上げている。リドリー・スコット、雰囲気作りだけはメッチャ必死に平均点以上最強未満を目指す鯔背な野郎だ。その性格が爆発しているのを「見る」だけをする為に存在している作品と言っていいかも。 [review] | [投票] |
★5 | チャンス!(1996/米) | 普段抱いている公憤が一気に興奮へと進化し、終始痛快さに酔いしれ、友情と信頼と人の大切さを二人の名女優によって教えて貰えてなおかつ、素直に感動させてくれる素晴らしい作品。不意を突かれた面白さは、一部が作り出した社会の歪んだ閉鎖的価値観が変だから、面白くないはずがない。 [review] | [投票] |
★5 | 稲妻(1952/日) | 「すぎわいは草の種」とはよく言ったもので、どうしょうもない人間が、次々にどうしょうもない人間じゃない人を仲間に引きずり込むパターンの多さを視覚的にコミカルに描いていて好感度大。適度に配置されたヒーリング効果のある言葉が、どうしょうもない人間の価値を谷底に落とさない効果を果たす。これぞ成瀬マジック。 [review] | [投票(4)] |
★5 | 愛しのローズマリー(2001/独=米) | ハンディキャップを克服するのに一番必要なのは、結局は本人が放つユーモアなんだ!コンプレックスを吹っ飛ばせないままに日常生活を謳歌しているどころじゃないってことが、よーく分かった。とりあえずファレリー兄弟に加わりたい。兄弟杯を交わしたい。 [review] | [投票(6)] |
★2 | ナイル殺人事件(1978/英) | 基本に忠実で推理ドラマを構築していき、非常に分かりやすい展開が矢継ぎ早に展開されていくのだけれど、腑に落ちない点がソレに負けじと矢継ぎ早に用意されているので、少々ゲンナリする。設定がまず変だ。あとは多すぎて語る気にもなれない。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 夜と霧(1955/仏) | 電流が流れ尽くされた有刺鉄線、血が流れ尽くされた数多くの魂が眠る荒れた大地の収容所。心が嘔吐してしまう映像の連続に惨さが心に染みいる。戦争で産み出される犠牲者の数は今もなお増え続け、残された人々を苦しめる。 [review] | [投票] |
★4 | キャメロット・ガーデンの少女(1997/米) | 子供の頃に出会った赤の他人、大人と接するときに感じ得た気持ちや態度が、そのまま生命力の肥やしになっていくのだということ。醜い面と美しい面を目にした少女と、生きる美しさを貫く男の出会いは残酷なまでに輝いていた。 [review] | [投票] |
★4 | 冷たい月を抱く女(1993/米) | 胸毛ウォッチャーにとっては、“胸毛がキラリ輝く1秒”は確かに幸せだったのかも知れない。ニコール・キッドマンも輝いてはいたけれど、グウィネス・パルトロウの風体はそれらを上回るインパクトが地味にあった。内容は手堅いサスペンスドラマで安心して鑑賞できるレベル。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 夢を生きた男/ザ・ベーブ(1992/米) | ジョン・グッドマンが超はまりすぎ。プリティ長嶋も同様に映画『夢を生きた男/ザ・チョーサン』でチャレンジして欲しいと思わせ、春一番など、その後ろに連なるモノマネ芸人の生きる糧となると思われる映画ではないだろうか。エンドロールで「プリティ長嶋、長嶋だけで千葉に一軒家購入」を思い出したのはとても感慨深かったのを記憶している。 [review] | [投票] |
★5 | ムトゥ 踊るマハラジャ(1995/インド) | 銭湯が生き残りのためにスーパー銭湯に変身したが、そこに過去の遺産の匂いは失われていた。だが、この映画は全てのカテゴリーの遺産をフルに活用しながらも自分の独自色、自国の文化を主軸に置いて展開するエンターテイメントの塊、すなわちスーパー映画。全てを壊すのではなく全てを受け入れ全てを見せる考えは釈迦が仏教を始めた地だけに鋭い。 [review] | [投票(3)] |
★4 | 奇跡の人(1962/米) | 三重苦でありながらも死を選択せずに必死に生きようとする姿勢は忘れてはならない精神であり、“奇跡”は自分で起こすものなのだから、何度もチャレンジすることと自分を信じることがどのように生命に対して重要なのかを再認識するはず。ヘレンケラーが三重苦を受け入れ、その3つの能力を生命力に注いだ時、真の光を見たに違いない。 [review] | [投票(1)] |
★4 | グッドナイト・ムーン(1998/米) | 実母と継母の狭間と父のまなざしが光る中で選択し、両者を愛することを決断する子供らのまなざしが素敵すぎる。様々な出来事を通して家族が家族としていられるのには何が必要であり、何が無駄かを明朗快活に語りかけてくる愛が溢れる映画。 [review] | [投票(1)] |
★5 | 紅夢(1991/中国=香港) | 歪んだ制度に埋没していく一人の女性が目にする全ての事象は、歴史の重みと歴史の老朽と陳腐そのものであり悪夢。家畜同然に女性が女性として生きるのが困難な時代が今も生きながらえ、チャンイーモウの眼力で社会に埋没し欠けている才能を目覚めさせる。 [review] | [投票(2)] |
★1 | アトランティス/失われた帝国(2001/米) | 『ふしぎの海のナディア』の、真似すべき話の展開の発想やキャラのディテール、性格の組み立て方をスルーしてしまう神経は、ウィルス性大量生産病によるディズニーの滅亡パレードの始まりを公に認めた形となって世に『アトランティス失われた帝国』が晒されてしまったようだ。失われた帝国=ディズニー。 [review] | [投票(4)] |
★4 | レインマン(1988/米) | 何かが足りない二人の凸の男と凹の男が再会して一つになり、短時間で人間性を取り戻す。その過程を追いかける物語が心地よくラストに引き寄せるのだろう。長く深い溝を埋めるために強く互いが引っ張るフィオレの絆に自らも惹かれてしまえた。 [review] | [投票(2)] |
★4 | イレイザーヘッド(1977/米) | 育児ノイローゼに罹った男女と男の人生の縮図を幻想的なパターンによって独創性豊かで作家性に富みまくったグロティーだけど、ちっとも後ろにたじろかせない全体を覆い尽くしている得体の知れぬ雰囲気は見習いたくても見習えない。多数とは真逆に突き進むことで自分なりの美を追い求めていく姿勢は人間の欲の裸体ではないだろうか。 [review] | [投票(4)] |
★3 | シャーロック・ホームズの素敵な挑戦(1976/米) | ユダヤ人が英雄ダビデを安易に絶対視せずに相対化したように、ホームズへの尊敬の行き過ぎの弊害を食い止めたと言ってもイイぐらい、ホームズのモリアーティ教授への執着の原因を分かりやすい「麻薬中毒」にして進めたアイデアは突飛で面白い。終盤の展開に目を閉じればの話だが。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 遠すぎた橋(1977/英=米) | 『レマゲン鉄橋』のほうが遙かにランクが上であり、見終わっても共感が促進されないこの作品だが、空挺師団の空を埋め尽くすような連続落下アート&それをしっかりと捉えたカメラの構図に痺れた。それ以外は普通普通普通普通の映画。 [review] | [投票(2)] |
★3 | フットルース(1984/米) | トラクターによる度胸勝負が出現し、さらにそのシーンにスクールウォーズの主題歌が流れ出したのにはビビった。テレビでこれがかかっていると透明になりたいだろう現在のケビンベーコンの過去に存在した端正で荒削りなブサイクさが無意味に母性本能を駆り立てるのかもしれない。 [review] | [投票(1)] |