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[コメント] 北京ヴァイオリン(2002/中国=韓国)

この映画も技巧的には大したもので、全編に亘って光の扱いは見事だし、中抜き(ジャンプカット)シーンのリズム感もいい。やっぱり、まるでハリウッド映画のようだと思う。しかし理屈っぽい筋立てだ。また人物造型が中途半端で透徹さがない。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 例えば最初の先生(チアン先生)は登場から序盤は厳しくて面白いのに中盤から腰砕け。リリの役割もとってつけたよう。一番気にくわないのはユイ教授。この重要な脇役を監督自身が演じてしまう、というのはいかがなものか。もしこれが、起用した役者が急遽降板せざるを得ない事情が発生し已む無く自身で演じたというのであれば許せるかもしれないが、それにしても、きどったポートレート写真を部屋の後景に臆面も無く置いてしまうナルシストぶり。それでいて意図したものとは思えない胡散臭いキャラクター。ちょっと拘り過ぎかもしれないが、こういう慎みの無さがこの監督の近作にはそこかしこに滲みでていると思えて仕方が無い。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ことは[*] 水那岐[*] Osuone.B.Gloss[*]

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