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[コメント] Shall we ダンス?(1995/日)

監督は「ネ暗、キモい、ヤダ〜!」とか言われていたであろう青年期の鬱屈をぬぐい去り、男性だけ出てくる映画でも撮ったらいいと思う。君に女性は描けないんだから。
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 「シコふん」は良かったが、これは不愉快。周防監督の女性に対する男性特有の傲慢さ(特にモテない男が、女性に復讐するかのようなタチの)があちこちに。

 竹中直人のあからさまな女性蔑視は2作とも耳が腐りそうだし(笑うしか意味のないシーンなのに笑えない、全然)、奥さんに「浮気じゃないけど、家庭以外に生き甲斐を求めるのは浮気と同じだわ」と何とも悲しいセリフを吐かせつつも、主人公がぶっきらぼうに「すまなかった」と言えば済んでしまうだろうという認識。

 おそらく監督のトラウマであろう“容姿端麗・頭脳明晰な冷たい女”も2作共通。しかも今回、その女優と結婚した事を考えても、あきらかに監督は女性の趣味が悪いと思った。『マレーナ』も大嫌いな映画だが、女性を人間としてとらえるより、あがめたてまつるモテない男って、ブスやデブに対して、異常な反応しめすからダメ。本物の男じゃない。

 そうして見返すと「シコふん」もあらが見えてくる。マネージャーのキレイな女のあまりの個性のなさ。何考えてるんだろう、この女?と思うのは観客だけじゃない。監督自身にも、キレイで頭のいい女が何を考えてるのかわからないのだ。この映画のダンス教師もそう。あまりにも描写不足。一方、ブス・デブに目を転じると、確かに「いい人だね」とは描くが「でも俺はノー・サンキューだけどね」という監督の声が後ろから聞こえてくる。上品なダンス教師の老婦人がいたじゃないかって? あの人だけが一服の清涼剤だったのは確かだけど、きっと監督にとってあの年齢の女性は既に女じゃないから優しい目線で描けただけだと自分はニラんでいる。

 とにかく監督は「ネ暗、キモい、ヤダ〜!」とか言われていたであろう青年期の鬱屈をぬぐい去り、男性だけ出てくる映画でも撮ったらいいと思う。君に女性は描けないんだから。

(評価:★1)

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