[コメント] 青春デンデケデケデケ(1992/日)
いい作品と聞いての鑑賞だったが、期待を大幅に上回る出来だ。こんなことってめったにないだけに、すばらしい! 登場人物が脇役にいたるまで、みな躍動感に満ちている。青春のすべてがここに詰まっている。
バンドのメンバーが個性的でみな憎めない、いい味を出している。
若住職役の大森嘉之の、この世界のことはすべて知っているといった、悟りきった機関銃の喋りが笑えたし、ちっくん役の林泰文の純朴な人柄もよい。女の子と海へ行く場面などは、なんとも甘酸っぱい気持ちにさせてくれる。 浅野忠信はぷにゅ…っとしてて、眼鏡はかけてるし、彼とはぜんぜんわからなかったよ…。少し前に見た『ユメノ銀河』の研ぎ澄まされた冷徹な面影とはえらい違いだ。ドラマーを演じた永堀剛敏が、ドラムを買ってもらい部屋ではじめて演奏しようとするときの、不器用な感動の仕方。
誰もが感じたことがある、あの輝きに満ちた青春のひとこまひとこまを、思い入れたっぷりに、しかしあまりくどくなりすぎずにさわやかに描いた、個人的には間違いなく五指の指に入る邦画の傑作だ。
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