[コメント] 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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映画全体の構成には、スパルタの狐さんのあげたポイントのとおりセックス、或いは生殖活動がメタファーとなっているなと感じました。タナトス(死への願望)とエロス(生への願望)はどちらもヒトの持つ表裏一体な本質であるということなんでしょう。スパルタの狐さんとちょっと違う解釈として、ワタシにはあのラストシーン、オーガズム、というかエクスタシー、というかつまり要するに、「イった」事を暗喩しているのだと思いました。ストレンジラヴ博士も”勃った”事ですし(笑)。
ちなみに『2001年〜』もそういう見方で観れば同じく生殖活動のそれと見て取れないこともありませんね。HAL9000のフランク殺害、ボーマンのHAL解体は生き残るための生存競争、つまり破壊。ディスカバリー号は精子に見えるし、木星は卵子、スターゲートのシーンはオーガズムの表現?ラストは赤ちゃんがデキちゃいましたし(笑)。ちと強引ですがこの二つの映画は扱っているテーマにおいて同一の物と観ることも出来るわけです。
そして、スタンリー・キューブリック自身もまた、タナトス(『博士の〜』)とエロス(『2001年〜』)両面によって構成されていると見て取れます。もちろん私たちも。
ピーター・セラーズ のストレンジラヴ博士の演技であるとか、シチュエーションコメディの展開であるとかは、後年いろいろなところで目にしているような気がします。あくまで当てずっぽうですが三谷幸喜あたりは相当影響受けてるんじゃないでしょうか。
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