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[コメント] 誘惑のアフロディーテ(1995/米)

笑っているうちに、いつしかアレン氏の手中に落ちる。<唐突な展開>は、あなたが笑った段階で、すでに有無を言わせぬリアリティを持っている。
カフカのすあま

コメディが成功すれば成功するほど、アレンの映画は<より深い場所>に到達する。彼が笑えば笑うほどこちらは悲しくなるし、逆に彼が悲しめば悲しむほど、こちらは笑ってしまうという構図。映画のなかでほのめかされているギリシャ神話もこの構図によっているし、だからこそ、数千年のロングセラー。

それにしても、アレン映画には多少のブレはあっても、毎回「みてよかった」と思えてしまうのは、彼がいくら無茶しても、テレ隠しの笑いで覆っても、根底に<人間が好き>という姿勢がかすかに透けて見えるからかもしれない。

だって、ミラ・ソルビーノを追うカメラ、やたら嬉しそうなんだもの。

"Don't be so Cassandra!" 予言は聞いても聞かなくても、結果は同じ。人生、起きることしか起こらない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)ぽんしゅう[*] ナム太郎[*] ナッシュ13[*] 鵜 白 舞[*] tredair[*]

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