[コメント] サンセット大通り(1950/米)
クルマが惜しいからという単純でこの上ないリアリティが当たり前のように配置されているが、こういうとこがワイルダーすごいと思う。
自分も趣味で脚本を書いているが、当たり前のことというのは、 意外にできないことだと知った。細部にこだわると、 単純明快にストレートなことが出しにくくなる。 ワイルダーの職人芸。浮気してる上司にアパートの鍵を貸すという 凝った設定と、エレベーターガールにほのかな恋を抱くという ストレートな設定。男が富豪の未亡人殺害というストレートな 設定と(まぁこれはアガサ・クリスティ原作だけど) 病院から帰った弁護士が看護人に文句を言われつづけるという ちょっと変わった設定。死体のモノローグから始まる凝った設定と、 クルマが惜しいからという理由・・・。
この二つの武器が、ワイルダーの ワイルダーたる所以なのだと思う。 凝った設定より、「一番明確なこと」のほうが、 考えることは難しかったのではないだろうか。 見る度に溜息をつくほど上手い。
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