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[コメント] 21グラム(2003/米)

のっけから、なおみはハダカでした。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







予告編や、映画情報誌などをみて、「ナオミの夫と娘が、デルトロの車にはねられて死んで、夫の心臓がペンに移植され・・・」という、ある程度のストーリーが頭に入っていたから、混乱することなく見ることができたが、そうじゃなければ、つらい映画だ。時間軸をずらす「必然性」がどこにあるのかが判らないのは『呪怨』以上だ。

その「ある程度のストーリー」に入っていなかったのが、シャルロット・ゲンズブール。ちょっと彼女の登場が意外だった。ルコント監督の映画にも出てたから、フランス映画のイメージだったし(父・フランス、母ジェーン・バーキンはイギリス)、だから、ばりばりハリウッド映画のなかに彼女がいたから、びっくり。で、メインはペン、ナオミ、デルトロの3人で、彼女は映画の中で、ひたすら冷遇される。

浮気性の夫に悩まされ、別居をしたら妊娠が発覚し、仕方なく堕胎をすれば、感染症に犯されて不妊症になる。夫が病に倒れ、余命幾ばくもないと知らされ、彼の元の戻るも、夫は自分をかつてのように愛してはくれない。そんな彼との間に子供を作って残すことが、唯一の心のよりどころ。覚悟を決めて不妊治療を決意するが、そんな中、夫は心臓移植手術が施され、命が永らえる。これで二人はやっと幸せになれる!後は子供さえ授かれば・・・。しかし夫は、ドナーを探すことに躍起になる。ドナーの妻に夢中になる。「あなた、家を空けすぎだと思わない?」この場面での彼女の言葉は痛切だが、夫はひたすら冷たい。

と、ゲンズブールの立場で見てしまうと、まったく別の物語がそこのはある。夫ペンにとっては、妻は「どうでもいい存在」に落とされてしまっている。この「妻の孤独」は、ナオミ演じる「妻のかなしみ」より伝わってしまった。あくまでもヒロインはナオミにするのなら、ゲンズブールの設定がコレではダメ。

で、のっけからハダカのナオミ。妊娠の相手は、夫?ペン?

(評価:★3)

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