[コメント] ベスト・フレンズ・ウェディング(1997/米)
ロマコメに纏わる憂鬱。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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孤独な鑑賞者である我々にとって、「恋愛が成就し目出度しメデタシ」という結末は望ましいものではありません。画面内のカップルが幸福であればある程、かえって画面外の現実を意識し憂鬱な気分になってしまうからです。
『ベスト・フレンズ・ウェディング』はハリウッド製ロマコメでありながら、この憂鬱を回避しようとする希有な映画です。主人公が獲得競争に敗れ、ライバルが意中の彼氏と結ばれる。その上で映画は語りかけます。でも貴方には素敵な友達と大好きな音楽、それに遣り甲斐のある仕事まであるじゃないか。何を悲しむことがあろうか。踊らん哉と。(ここでジュリア・ロバーツが見せる豪快なガッハッハ笑いが実に素晴らしい)
ロマコメの枠で「負け組」を肯定してみせ、ありきたりのハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、爽やかな後味を残すのだから、なかなかどうして、これは大した映画ではないかと思うのです。
ただ残念ながら、ここで救われる対象は「恋人はいない」が「友達と好きな音楽と仕事がある」程度の負け組です。真に孤独な鑑賞者にとっては相変わらず憂鬱は解消されないままです。まーもっとも、そんな救済をロマコメ映画に求めること自体が間違っているのでしょうが。
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