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[コメント] 天国から来たチャンピオン(1978/米)

笑いながら泣けて心も温まるストーリー。何気ない伏線の張り方も素晴らしいです。脚本や構成が良いと映画は面白くなると言う見本のような作品。僕にとって大切な大切な映画です。
さいた

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ジョーがファーンズワースの身体に乗り移った後、ジョーには元のジョー自身の姿として映ります。これは作品を観ている人も同じです。観客に対して製作者側が約束事を作ったのです。この手法はとても面白いと思いました。構成的にも到る所に伏線が張ってあり、それが綺麗にまとまっていくあたりは感動ものです。ジョーの吹く音楽、レバーシェイク、コイン、井戸、空砲、「何も怖がる事はない」、QB・・・etc.こんな沢山の複線も観客に判り易くエピソードで説明している辺りがエンターテイメント作品に成り得た要因のひとつでしょう。

僕の好きなシーンは、自分(ジョー)の正体を分かってもらおうと、マックスの首をひねるシーン。このシーンは可笑しいのですが泣けます。同時に笑って泣けるなんて、なんて贅沢な創りなんでしょう。「映画は脚本」、この言葉が似合う作品である事は間違いないでしょう。

***追記***

モモ★ラッチ様, kazby様, うよ様、御投票を有難う御座いました。実は僕の生涯のベスト1の作品なので、書き忘れた事をどうしても書き足したくなりました。もう少々お付き合いくださいませ。

「天国から来たチャンピオン」は「幽霊紐育を歩く」(1941年アメリカ 原題 Here Comes Mr.Jordan)のリメイク作品です。「天国から来たチャンピオン」の舞台がアメリカンフットボールだったのに対して、「幽霊紐育を歩く」はボクシングが舞台でした。実はウォーレン・ベイティが最初にリメイク作品を創ろうとした時、元の作品と同じくボクシングを舞台に創ろうとしたのだそうです。その際に実在するボクサーのモハメド・アリを主演にしようと出演依頼をしたそうですが、残念ながら断られて、その目論見は外れてしまいました。そしてウォーレン・ベイティは考えた末に、自分自身が主演する事にしたのです。その際に彼が好きだったアメリカンフットボールを舞台にしようと決めたのです。

個人的にはボクシングよりもアメフトにして正解だと思いました。その理由は陽気なアメリカの雰囲気が出るし、スタジアムの観客数も多く盛りあがると思うからです。そして、その派手さと最後のシーンを対比する事により、より切なさが表現されたと思うのです。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (9 人)中世・日根野荘園[*] ラジスケ[*] あき♪[*] Pino☆ OZU[*] kawa[*] モモ★ラッチ[*] kazby[*] uyo

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