[コメント] 戦争のはらわた(1977/独=英)
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と言っても、共通点は「子供」と「水」というだけなんですが。ペキンパーの映画ってよく人が水の中に飛び込みませんか? この映画のソ連の少年兵の姿が忘れられない。ラスト、阿鼻叫喚の大攻勢の中、やはり少年兵が出てくるが、彼は「やれやれ・・・」といった感じで大人のやってることにあきれ果てた様子で去っていく。 エンドタイトルで大二次大戦中の子供たちの悲惨な境遇の写真が次々と出てくる。それがいつの間にか、その後の戦争(ベトナム戦争も)の子供の写真に移り変って行く。 大人たちがバカなことをやって、自滅するのは仕方なかろう。それに抗して自我を貫こうとした者も破滅へ突き進んで行く。だが巻き込まれた子供の立場は・・・子供たちも兵隊として殺戮に手を貸し、帰ろうとしたら味方に撃たれた。一方的な被害者としては数限りない。この映画は無関係な子供を巻き込む戦争という暴力にたいする怒りに満ちている。で、その監督のやり場のない怒りはどこへ・・・というとやっぱり暴力の世界へ、敵対していたストランスキーと死地へと赴く。すまん、俺達にはもうこんな道しか残されていないんだ、後はたのむ・・・と言ってるようでもある。バイオレンス派といわれながら、監督自身は暴力を憎んでいたんじゃないかなぁ。
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