[コメント] お父さんのバックドロップ(2004/日)
いやはや末恐ろしいガキがいたもんだ。
『神木隆之介』僕はこの子役しか観ていなかった。この少年、なんというか「妖艶」なのだ。断っておくが僕はホモでもなければロリコンでもない。しかしこの子の表情、一挙手一投足がいちいち官能的なのだ。演技も今どきのこまっしゃくれたオーバーアクションで器用にこなすのでなく、自然なのである。これは訓練で身につく類のものではない。一方、相棒の田中由貴の演技は、適度に棒読み(だがそれがまた子供らしくていい)なんだけど内面から出てくる何とも言えない「タフな優しさ」を感じさせ、それでいて神木の脇役に徹するおくゆかしさまで持っているのだ。これは台本や演出ではない。最近の子役はたとえ脇役でセリフがひとつしかなくても、充分でしゃばりである。僕が近年の子役をあまり好きでないのはこれである。
えなりかずきは、橋田ファミリーであることと、その超保守的キャラばかりが取り沙汰されてしまっているが、まさしく天才子役であった。しかしえなりが持っていないし、おそらくこれからも身につけることはないであろう「妖艶さ」は、神木の財産となるだろう。ただし、注意深く育てないと子役は素手で壊せるボロ屋のように簡単にダメになる。
さて映画の方だが、プロレスという斜陽産業の悲哀をもう少し出して欲しかった。そうじゃないと、ただの『チャンプ』である。
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