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[コメント] ターミナル(2004/米)

ずいぶん金をかけたであろう空港のセットを楽しむ作品。しかしスピルバーグ作品はいつからこういう人情ものの小品ばかりになったのか。[東京厚生年金会館 (試写会)/SRD]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







詳しく言うなら、金をかけた小品といった印象の一本(これは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』もそうだった)。まあ小品だから悪いということもないのだが、今回は脚本の穴がいくつも目についたおかげで、どうも今一つ入り込めなかったな。

以下、気になった点を列記。

・主人公ビクター(ビクトルというほうが正しい発音か?)の出発地であるクラコウジアとの間には直行便があるのだから、ビクターと同じ便に乗ってきたクラコウジア人の旅客が他にもいるはず。とすると彼1人だけ足留めを食うのはどう考えてもおかしい。

・いくら何でも、改装工事中のゲートエリアに、ターミナルビル内からあれほど簡単にアクセスできるはずがない。おまけに誰にも邪魔されずに寝泊まりできるなど論外だ。そんなにJFKのセキュリティは甘くないだろう(だって怪しい人間が爆弾とか仕掛け放題じゃん!)。

・入国審査官のオフィスに日参するビクターをダシに使って憧れの彼女とうまいことやろうとする彼。あんたコソコソ隠れてないで、少しくらい自分の姿を見せろよ。結婚指輪をビクターが差し出した時、「私にプロポーズしているのはビクター!?」と彼女が勘違いするんじゃないか、なんて思ってハラハラしたぞ。

・やっぱりキャサリン・ゼタ・ジョーンズ演じるアメリアという女性の役どころが中途半端な気が(もともとのラストシーンは、彼女がビクターと一緒にマンハッタンに向かうというものだったそうだが、土壇場になって変更されたそうな)。

・あとはまあ半分アラ探しというかどうでもいいことなんですが、実際のJFKでユナイテッド航空の便が発着するのはターミナル7なのだが、そのターミナル7にはスターバックスもバーガーキングも入っていないんだな(シアトルズ・ベストとマクドはある)。

ところで「クラコウジア」なる国がどこをモデルにしているのかは不明だが、映画の中でビクターが話しているのはブルガリア語(トム・ハンクスはブルガリアとギリシャのハーフである妻リタ・ウィルソンの助けで訓練したとか)、彼が持っていたガイドブックはロシア語、ビクターが見せる運転免許証はベラルーシで発行されたものだそうな。よくわかんないな。

(評価:★3)

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