[コメント] 都会の牙(1950/米)
エドモンド・オブライエンの走りっぷりも、それを捉え続けるカメラポジションも、つまりはルドルフ・マテの演出が素晴らしい。
小太りのオブライエンが走りまくる傑作犯罪映画。屋外シーンはどれもいい。それは屋外でのオブライエンが、常に走らされているからだ。特に、最初に彼が病状を告げられ、病院から表に出て、街中を疾走するシーンが凄い。映画全体を通じても、こゝから怒涛の展開となる。
中盤登場する、若きネヴィル・ブランドの悪役ぶりも強烈だ。執拗な下腹部への攻撃。オブライエンの腹を何度も殴る。オブライエンが逃れて入ったドラッグストアのシーンでも、他の客や警官がいても容赦なく発砲するブランド。彼の狂気もよく演出されている。このブランドを手なずけているボスは、ルーサー・アドラーが演じている。この人はどこの国の人の役なんだろう、とても気持ち悪い造型でこれも強烈だ。アドラーがオープンカーに乗ってバスを追走するシーンもよく撮れている。
そしてヒロイン、オブライエンの恋人役はパメラ・ブリットンという女優だが、彼女との街路での束の間の逢瀬のシーン。こゝも切なくて良いシーンだ。
#「D.O.A」は「dead on arrival」の略。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。