監禁を指示した近親相姦男のウジンは、ストーリーが進むにつれ、嫌らしさ全開。わざわざ学校の中で姉ちゃんとヤッてるテメェがわりぃんだよ！と突っ込む人がいないのをいいことに、オ・デスへの手の込んだ復讐を存分に堪能。舌を切り落としてまでも「アルバムを見せないでくだすぁ〜い」と懇願するオ・デスを見下しながら吹き出すシーンは鳥肌モノだった。

チェ・ミンシク演じるオ・デスも完璧。外見的にホームレスみたいで少々アブナイ奴なのに、不思議なオーラが出ていて、長回しでの乱闘シーンは痛快そのものだった。それにしてもアナタ、15年も監禁されてるあいだはどうやって性欲を（略

全体的に暴力描写や催眠術やら監禁会社やらというストーリーの流れはあくまでフィクションとして見切っちゃいそうなものではあるが（監禁そのものは特に韓国のお隣さんとかが相当アブナイので何とも言えないが）二人の主人公に数十年越しの憎しみと十五年の憎しみという強烈な負の感情が宿っているために、物語はホンモノに近い凶暴な人格を帯び、とにかく強烈なパンチを浴びせ続ける。極めつけはウジンが引き金を引く直前に回想したダムのシーン、そして記憶も心情も定かではないオ・デスのラストシーン。どちらもかなりイタいシーンだった。

それにしても、ウジンは姉貴との関係を言いふらした犯人が女だったらどうしたんだろう・・・。この期に及んでこういう想像しかできない俺を許して下さい。