[コメント] カンフーハッスル(2004/中国=香港)
巧夫・発奮(カンフー・ハッスル)……
清代初期の中国は動乱の時代であった。当時の最大の馬賊であった「斧頭会」を壊滅させ、長い巧夫分裂時代に幕を下ろした亡国の英雄・シンの形跡は、現在もあらゆるところに残っている。
我々が中国を訪れると、親が子供に「巧夫・発奮!」と叱咤激励している場面を見ることができるが、これはシンが修行時代に、己に「巧夫・発奮!」と渇を入れていたことに由来している。
そう言われた子供が「ありえねー」と返答するのは『如来神掌』のかけ声の名残だ。電通拳博報堂派の『如来神掌』の独特な「有理得亡(ありえねえ)」という雄叫びがルーツとなっている。
今となっては「有理得亡(ありえねえ)」の本当の意味を知る者は存在しないが、北京大学のチャウ・シンチー教授は「真理は有る。真理を得なくては亡国の恐れあり」の意味であると分析している。
巧夫時代、中国全土は疲弊していた。『如来神掌』を極め、達人の頂点に立ち、抗争を収めなくては、疲弊した中国は列強の植民地政策の餌食になってしまう……。シンの必死の胸中を表す言葉か。
我が子にシンのような立派な人間に育って欲しい、そんな願いがから発せられる「巧夫発奮」。「シンのような立派な人間になる努力をしているよ!」という返答である「有理得亡(ありえねえ)」。
このように動乱の英雄であるシンの志は、現在まで中国全土に脈々と受け継がれているのである。
余談ながら、「巧夫発奮」は遣唐使により日本にも伝えられたとされており、我々がCMで目にする「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」のコピーは、この言葉の派生系であるとされている。
CMを提供する会社の社長が丸大拳の使い手であったことは、最近まで極秘事項とされていた(公安文書番号16589号指定)。この事実が、中国拳法が国政に与える影響の大きさを如実に示している、といえるだろう。
民明書房刊『巧夫発奮―その知られざる事実』より
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