設定は実に突飛なものだ。プレデターが大昔に地球に文明築いたことで人間から神と崇められ、エイリアンと戦うことは戦闘種族であるプレデターがより種族としての強さを高めるためだという。今回のバトルにしても若いプレデターの成人の儀式だとは、地球人としては迷惑以外の何物でもない。そもそも、今まで一度も地球に来たことのないエイリアンを、よりによってプレデターが持ち込んでたとは不思議で仕方がない。

　しかししかし、上記の無理矢理の限度すら超えた設定など、どうでも良いのだ。むしろそんな設定があった方が、今までのシリーズと見比べて矛盾点を話し合う楽しみもある。そして自分自身で勝手に空想膨らましたりもできる。それよりも、この映画は『エイリアン』と『プレデター』両シリーズのファン向けに楽しみをしっかり詰め込み、不公平感もあまりないようにストーリーを進め、しっかり楽しめるイベント映画になっていることが大事なのだ。このあたりはオタク心をよく理解しているオタク監督ポール・アンダーソンのこだわりであろう。どちらのクリーチャーにもしっかり愛を注いでいる。

　ボクはエイリアン派なので、クイーンの妙に怪獣っぽい動きが少々気に食わないということはあったが、終盤、エイリアンが海の底へ沈んでいくシーンは今までの作品で宇宙空間へ放り出されて最期を迎えるイメージを彷彿させたし、プレデターの方も最後に大勢登場して剣を渡して去っていくシーンが『プレデター２』でダニー・グローヴァーに銃を渡すシーンを彷彿させたし、エンディングはもうお決まりであろうことをしっかりやってくれたので、もう満足だった。

　サービス精神旺盛なイベント映画である。