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[コメント] ミリオンダラー・ベイビー(2004/米)

客の残り物を食らう姿。すっごく濃い鼻血。そして眼。その眼。映画は映像だけで語り尽くすことが出来る。
ミドリ公園

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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DVD発売後のこの時期にコメントするのもあれだけど、実は公開時に映画館で見たきりDVDは未見なんで記憶がいまいち曖昧だ。ただ、とても良かったので後日もう一度お金を払って観たのは覚えている。

今現在印象に残っているのはヒラリー・スワンクの出ていた場面ばかりで、クリント・イーストウッドの影は薄い。モーガン・フリーマンに至ってはナレーションは別として出演していたことすら曖昧である。

この映画の大事なテーマの一つ「尊厳死」すら、私にとってはどうでもいいことだった。大体そんなテーマは、自分にとって身近で現実的な問題となるような事態でしか意味をなさないと思う。一般論として語っても「真剣十代しゃべり場」になるだけだ。

テーマよりも、ぐっと身に迫ってくるシーンの数々が私をこの映画に引き込ませた。ハイ○ツのケチャップばりに濃厚なその鼻血。客の残した肉に喰らい付くその姿。肝心のボクシングはちょっと安易に勝ち過ぎたが、感謝されるはずの家族からしっぺ返しを喰らった帰途に車のフロントガラス越しに見せる眼。それも含めた眼の変遷。勝利への執念でギラギラしていたとき、病院のベッドで物言わず訴えかけるとき。その眼だけが印象に残っている。これこそ映画でしか表現できないものだし、それさえあれば私は満足だ。

(評価:★5)

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