[コメント] ランド・オブ・ザ・デッド(2005/米=カナダ=仏)
『ショーン・オブ・ザ・デッド』のサイモン・ペグがゾンビ役に誘われて大喜びで参加したのも納得。俺だってロメロ氏から「ゾンビ役、やってみない?」と誘われたらパスポート取りに行っちゃうもんね。生まれて初めての海外が「ロメロの作品にゾンビ役で出演」のためだなんてカッコよすぎるじゃん。
そもそもロメロのゾンビ映画は他のゾンビ物とは一線を画している。彼流の哲学というかちゃんとしたメッセージが伝わってくるのだ。そりゃあ、どういう理由でこの作品を観たって構わない。ファンにとって「ゾンビ映画」に求めるものは?と聞けば、ロメロの哲学を求めて、だなんて返事が返ってくるとは思わないし。それでも必ずファンはこう言うだろう。「ロメロ制作のゾンビは、他はそれとは違う」って。
私はこういっちゃ何だが、彼の肩の力の抜き具合が好きなのだ。それは78年の『ゾンビ』を観ればわかる。エンドクレジットのあのチャカポコチャカポコっていう脱力系音楽なんかその最たるもの。なんか、あれがロメロ映画のすべてを表しているとこっちは勝手に思ってる。「ハイ、これでオシマイ。面白かった?良かったらまた観てね〜」みたいな割り切り方が大好きなのだ。
これはもう断言しちゃうが、きっと撮影中もカメラ覗きながら「ウヒヒウヒヒ」と笑っているんだろう。実際、メイキング見たりすると撮影が外れるとみんな笑顔なのだ。みんなで寄って集って「面白いものを作っている」という意識が統一されているのだ。ここ、大事。妻が序盤を見ていたとき、「これってコメディ?」って聞いてきた。ああ、正解だよ。少なくとも楽しそうな撮影が伝わってきたってことだもん。それってスゴクナイ?(語尾上がり)
まだまだ現役。終盤に潜んでいた寂寥感&叙情性には余裕すら感じたよ。ちょっと甘いかもしれないけど、★5献上するのもロメロがもっと現役でいてほしいが為。がんばれ。もっと背徳の密かな愉しみを我々に!!
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