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[コメント] 仮面ライダー THE FIRST(2005/日)

冒頭の子門真人に鳥肌が立ち、目が潤んだ。さぁ!35年目の石ノ森章太郎ワールドが披瀝されるのだ。
sawa:38

★懐かしきアノ曲が流れてきた時の「衝撃」は40歳以上のオタク親爺にしかわからないだろう。そう、わからないで構わない。いいや、もっと言おう。「分かったなんて言わないで欲しい」

ノスタルジー?そう、単なるソレです。だから以下はオタクの妄言だ。子門真人の歌声に涙が滲んでこなかった方々は読まんで結構。

★これはTV版の「仮面ライダー」へのオマージュはもちろん、石ノ森章太郎の原作である漫画版への丁重な敬意が充満している作品だった。

東映のマスクヒーローの掟破りともいえる仮面を脱いで素顔で戦うライダーたち。そう、彼等は何にでも変身可能なロボットや化け物ではなく、改造されたとはいえ「人間」なのだ。だからこそ悩む。

マスクを取った素顔で戦うヒーローは先年のキャシャーンでも用いられ、「人間」でなくなってしまった哀しみを問うライダーたちは平成ライダーシリーズのクウガ・アギト・555でも主要テーマとして語られてきた。そう、平成ライダーは35年前の本郷猛のリアルな姿を問うていたのだ。

★このキャラクターデザインの秀逸さは何なんだ!1号のピンクがかった複眼と青と黒のスーツはまさに第1話から13話までの旧1号じゃないか。手袋の色もそうだ。後の「桜島1号」と称されるタイプとは明らかに違う。まさにTV版の初回から忠実に視聴した40歳以上のリアルタイムで見た親爺たちの涙を絞りきるには充分過ぎるデザインである。

★「変身!」をしないライダーたちは当然のことながらアノ「変身ポーズ」はしない。それは分かりきっていた事だ・・・で、あの複数の怪人たちに囲まれて絶体絶命のピンチの時に1号と2号が背中合わせに立ちすくむ。そして、ふいにその時がやってきた。本作の一大メインシーンである。先ず2号が両手を水平に右へ振り、次いで大きく円を描くように・・・・・・・・・・

声が出た。思わず声が漏れた。2人のライダーがアノ決めポーズを披露してくれた。親爺は溢れる涙が止まらなかった。

★で、やっとここから映画の批評。

本作のウエンツ瑛士絡みの比重の大きさに最初は戸惑った。だが、作家が井上敏樹である以上、平成ライダーで貫いてきた「正義」という胡散臭い旗印への不信感を劇的に描くにはウエンツ瑛士のパートは絶対に必要だったのではなかろうか。9.11のテロ以降、絶対的な正義など存在しない事を世界は思い知った。

本作のヒーロー足る仮面ライダーは、敵の素性など何も知らずに倒した。平成シリーズで葛藤したライダーたちとは違い、知らないとはいえ少年少女を殺した。一方通行の正義とは可憐な花を踏み潰してでも前進するのである。これを描く為にわざわざ時間軸までもいじりウエンツ瑛士のパートに時間を割いたのは正解であった。

★何故に本郷猛のみが改造後の副作用を受けずに行動が出来るのか?

彼の体には60%の「水」が流れている。「水」は美しいモノに触れると反応し成長するのだという。彼は緑川あすかという美しき女性に出会い変化したのだろう。

★公開時は上映館の少なさに驚き、無念の未鑑賞に終わってしまった。昨晩やっとのことでDVD鑑賞が出来た。東映は一般公開よりもDVDでの収益を狙っているそうである。(噂)そしてこのDVDの販売如何によって続編の企画が通るらしい(噂)ならば、ならば是非、続編を期待したい。蜂女やサラセニアン・さそり男といった素晴らしいキャラが綺羅星のごとく控えている。地獄大使なんていう可愛いキャラまでいる。次回は赤戦闘員も出演させて欲しいし・・・

最後にデジタル出演という快挙を成し遂げた死神博士こと天本英世。アンタはやっぱり最高だったよ・・・

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (7 人)すやすや[*] アブサン[*] ババロアミルク[*] IN4MATION[*] ホッチkiss[*] 水那岐[*] tkcrows

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