物語は死に向かって、生きていく人間を中心に描かれる、生きている事

主人公は、自分の生きる道を見つける事が出来た時、生まれ変わった様に激しく 活き始めて、そして自分の作った公園で死んでしまう。

彼にとっての生きるとは自己の満足。 ヒドイ物言いにも聞こえるけれど、 やはり彼にとっては生きるとは、それを根差した 傲慢な生き方だと言える。

何故なら、彼は他の人間達の為に何かをしてあげたい、とか思って行動したワケでは無く、 孤独の内に死期を控えた自分の心の振り子を少しだけ他者による力では無く自分の力で動かしたいだけなのだから。 子供の時に自分の力でブランコをこいだように・・・・

そんな彼の行動も周りの人間に波紋を残す。 ある者は彼の行動に感謝し、ある者はそれに共感し、 ある者は疎ましく思うと言う、相関的相互的な人間関係を形成して。

何故ならそれら全てが依存しあい干渉しあいながら、 全ての「生きると言う事」は出来ているから。

ラスト公園を見下ろす帽子の男の影が見える。

只々、自分の作り上げたモノを見下ろしその満足を確認する主人公の姿を連想させる様に。